なぜ放射線がなぜ体によくないか
広島、長崎で原子力爆弾が落ちた後、たくさんの方が亡くなりました。なぜ死に至るのかというと、放射線が細胞内の水に反応して、強力な活性酸素が発生して、細胞の中のDNAを溶かして破壊してしまうからです。
また、原発事故等で放射線漏れにさらされた場合は、細胞内の水と反応して発生した活性酸素が、DNAの遺伝子を傷つけてしまいます。
すると遺伝子からの命令伝達が狂ってきて、がんが発病しやすくなります。
DNAは2本の鎖状の物質で成り立っていますが、この2本とも傷つけられると修復は不可能になり、細胞分裂が不可能になってきます。
特に、細胞分裂のスピードが速い血液を作る骨髄などは影響を受けやすく、白血球の減少による免疫力の低下が起こりやすくなります。また、白血病や(特に小児における)甲状腺がんなども被曝の影響と考えられます。
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免疫の働き
外部被爆、もしくは内部被爆すると(空気、水、食品等を通じて放射性物質が体内に入ると)、放射線と細胞内の水が反応して活性酸素が産生されます。その活性酸素がDNAに害を及ぼそうとすると、活性酸素を除去する酵素(SOD)が取り除いてくれます。
このことを抗酸化作用と呼びます。これが体を守ってくれている免疫のしくみです。
しかし、過労、睡眠不足、運動不足、加齢(体内で産生される抗酸化物質は、30代から働きが弱まり、50代ではピークの4分の1になる)等で免疫力は低下します。
また、脂肪や油の多い食事、農薬、食品添加物、タバコ、排気ガス、環境汚染、紫外線、放射線、ストレス等は、体内では異物として認識されるので、活性酸素が過剰に発生して免疫力を低下させてしまいます。
体内に菌や異物が侵入すると、白血球の中の食細胞が異物を食べてくれ、取り込んだ異物を溶かして排泄するために細胞内で活性酸素を作り出し異物を溶かしていきます。
ここで問題になるのは、異物が多すぎると活性酸素が過剰に産生され、その余分な活性酸素が食細胞の外に流失して正常な細胞を溶かしたり、刺激を加えて様々な障害を与えるようになります。
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発がんのリスクについて
また放射線漏れの場合、1番の問題は健康への影響、特に発がんのリスクになります。そして発がんのリスクについて考えたとき、放射線漏れ以上に発がんのリスクがあることに気づかずにやっていることもあります。
以下のデータは国立がんセンターが発表したものです。
放射線被ばくによるがん死亡率は、200〜500ミリシーベルトの被爆で1.2倍に増加します。実は、運動不足、塩分の取りすぎでも、がんの死亡率は1.2倍増加します。
また、2000ミリシーベルトでがんの死亡率は1.6倍になりますが、喫煙や毎日3合以上の酒を飲む習慣のある人のがん死亡率も1.6倍に増加します。
ですから、放射線被ばくを気にして対策を講じていても、生活習慣を変えないとがんになるリスクは高まってしまいます。
また、がんになって素晴らしい先生から最新の治療を受けても、発がんリスクのある生活習慣を変えなければ、治療の効果を自ら打ち消していることになります。
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予防医学研究所の若林さんのニュースレターがとても参考になるかと思いましたので、転載させていただきました。
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